異国を想う

当たり前のように異国を往来していた日々。それは文明の利器のおかげではありますが、当たり前ではなかったのですね。

数年前から、いつかは海外に行けなくなる事もあるかもしれない、と考えるようになっていました。その理由は様々ですが、まさかこんなに早く訪れてしまうとは想像していませんでした。

ヨーロッパへの仕入れが困難になって、まだまだ渡欧の兆しも見えません。

私たちにとっての渡欧買付は、もちろん仕入れがメインなのですが、こう、言葉では言い表せないような感覚を探しに行っています。

“別の人生を生きている感覚”

ふと主人が言った言葉はその通りだと思いました。

わたしは、海外で暮らしたいとか、そういう思いはあまりなく、旅行が大好き!というタイプでもありません。どこまで先祖を遡っても自分は日本人だし、日本がなんだかんだ好きなのです。

ヨーロッパは、それはそれは夢のような景色が広がっているけど、そこで生まれ育たなかった自分にとっては、やっぱり他所でしかなかったのです。

しかし買付の旅、1ヶ月弱を過ごすこの時間は、私だけど、わたしではない人の時間を過ごしているような気持ちになれるのです。古いものばかり見ているので、タイムトラベルもしています。

洋服を整理していたら出てきたエコバッグ。フランスの蚤の市で買い物をしたら、これに入れて渡してくれました。簡素なバッグですが、センスが光るレイアウトは流石だなぁ。蚤の市でもらう、リサイクルのビニール袋ですら、おしゃれで捨てられません。

スーパーのレジ袋有料化は、日本はずいぶん遅れていたように思いますが、アレコレ無料サービス過多で、仕事を増やし過ぎていた気がします。ウイルス対策で、むしろ逆に今無料化にした他国もあるとか。どちらが正しいかはまだわかりませんね。

フランス(パリ)に限ってスーパー事情を比べると、野菜くだものは量り売りが主なので、包装されずそのまま陳列されているし、日本だと衛生面でクレームがきそうな事がたくさんありますが、私は日本も過剰すぎるかなと思う事があるので、真ん中くらいになったら良いのになと感じていました。でもマルシェではそのまま並んでる野菜やお菓子やパン、肉も魚もチーズも、本当に美味しそうなんですよね。

レジ係は座ったままで、かなり無愛想な人が多く、手動のベルトコンベアに客が品物をカゴから出して置き、バーコードを読み取ったものはカゴにも入れずベルトに横に流すだけ、(人によってはかなり扱いが雑…)客が自らその場で袋に詰めながら会計を待つスタイル。そして50€とか100€を出すと70%くらいの確率でわかりやすく嫌な顔をされます。あちらはほとんどがカード払いなのです。

そんなプレッシャーにも負けず、現金払いで頑張るのですが、うまく小銭を駆使して、お釣りを出来るだけ減らすのが、レジ係の機嫌を損ねないコツです。

袋有料は当たり前ですが、日本もレジの人は座っててもいいと思うし、お客がそのまま袋詰めするのでもいいかなとおもうのです。

なぜなら、レジの人がカゴへ詰める時、わざわざ丁寧に重いものや潰れないものから下に詰めるので、時間もかかるし、自分で詰め直す時また下から掘り出すのが二度手間だなあと感じているからです。

180度感覚が変わった世界

日本ではコロナ前からマスクを着けることに抵抗はなかったけれど、フランス(きっとヨーロッパどこでも)マスクなんて不審者扱いで、スーパーにマスク姿で入ろうものなら、入り口に立つ怖いお兄さんに連れ出されたでしょう。

でもコロナ以降はマスクを義務化するほど、変わってしまいました。もしかしたら、食品も、もう一つ一つ個包装されているかもしれません。

潔癖に関しては日本は世界一だと思っていましたが、いきなりどこも世界水準に変わってしまった。正しさはどこにあるのか分からないままだけど、命を基準にした行動は果たして何処へ向かうのでしょうか。

ウイルスによって、世界中の対策を同時進行で比較する事ができました。政治から生活の小さなことまで、海外の良いところを手本にして、日本もいい方向へ変わっていくと良いなと願っています。

遠い、異国を想う。

飛行機に乗れば半日で行けた世界でも、やっぱり遠かった。

異国を想う

そろそろ明けても

いい頃かなぁと思います。

長すぎる梅雨、カビとの戦い…

鬱な雨を少しでも明るく乗り切ろう!との事で、久しぶりに古いものではない買い物。

大人の折り畳み傘を☂️✨

実はコレ、山本美文さんが持っていたものが素敵ですぐに真似てみたのでした…笑

うーん、これは気分上がります!!傘はちょっと目立つ色を持ちたいのです。

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初めてパリを訪れた時、何も考えずに一目惚れした傘を買ってしまった。

スーツケースに入らないし、先も尖ってるし、空港で没収!?されるかも!?

学生の自分にしたら大枚叩いたので、何としても持ち帰りたかった。

無事に別送で持ち帰る事もでき、そんな困難からさらに愛着が湧いた傘だった。

奮発したから無くしたくない気持ちが強くて、忘れっぽい自分だけどその傘は忘れなかった。なのに突然その日はやってきて、うっかりコンビニに忘れてきてしまう。もちろん見つからなかった。でも、7年くらいは使っていたので上出来だと思う。

それから傘は忘れたくないから奮発するのが私の決め事になり、その後もちょっと背伸びした傘を買ったけど、岐阜に戻ってからは車の生活になったため、長い傘を持つのは不便になった。折り畳み傘は、仮のものをずっと使っていたので、傘に気分が上がるという気持ちは何年ぶりか。今回選んだのは赤い傘。赤は色彩の幅が広く、青み、黄みよりでとても印象が変わる。私の好きな赤、カーマインといったところか。パリで買った傘も、同じカーマインレッドの傘だった。

先日、開店10周年を迎えた主人のInstagramの投稿には、コメントからDM、メールにも、まさかこんな方から!と驚きのお祝いメッセージ、たくさん頂戴しました。感激です。

なかなか晴れない空、世界。

雲の切れ間を探して、傘をさして歩きます🌻

そろそろ明けても

大暑2020

7月23日

本田開店 丸10年経ちました。

私は三年を過ぎた頃から手伝っているので、やっぱり主人におめでとう、と言いたい。

そして何より、支えてくださった方々に感謝を。何も特別なことはできませんが、どうかこれからも見守ってくださると嬉しいです。

今夜はささやかに、二人で乾杯します🥂

2020年7月23日

本田慶一郎 恵

大暑2020

山本美文展

7/12を持ちまして、無事に終了致しました。

このような不安定な世の中で、足を運んでいただいた方々には深く感謝いたします。

それから通販でのご購入も、たくさんの方からお問い合わせいただきました。誠にありがとうございました。

沢山の人に見てもらいたい気持ちと、たくさん人を招き入れられないジレンマ。そんな中で、気に掛けてくれた方々、本当に本当にありがとうございました。

わたしはと言いますと、書けない病?そんなことはありませんが…

美文さんのPenséesにある言葉の素晴らしさや、主人と美文さんとの間にあるこの十数年の出来事や思いを伝えるには、私では力不足で。

その分主人はこれまで以上に、美文さんのものづくりに対する姿勢や思想、そして作品に対して長い時間をかけて向き合っていたので、傍らにいても大変学ぶことができました。

それから、本来ならこの展示のための演奏会と喫茶が行われる予定でしたが、残念ながら叶いませんでした。

演奏家のハルカナカムラさんも、またいつかその日を、とメッセージを送ってくれました。

そう、ささやかに。

日常に寄り添う風景のような音楽と、香りから記憶を呼び覚ます珈琲や紅茶。作り手の思想の断片を詠む声、手のひらには珈琲の温度を程よく感じる木の器と一緒に、本田という空間でみなさんとささやかに10周年を迎えられたらいいなと思っていました。

でも、またいつかでいいんです。

それまで、また頑張ります。

良いものいい。それに尽きます。

でも理屈ではないのですが、なぜ良いのかを伝えるのは私たちの仕事です。

それがただの理屈や説明になるのか、はたまた抽象的な感想となるのか。もっともっと、教養と感性を磨かねばなりません。そしてもっと柔軟に。

古いものも、現代のものも、懐古的ではなく現代的な意味で見直すべきだと、ある方の言葉。

世界はどんどん、不必要なものが排除されていく。だけど文化と芸術は守り育てたい。正しさだけの世の中なんて、きっとつまらないから。

山本美文展

直感

先日、料理家の土井善晴さんがこうTweetされていて、

ついつい画像を保存してしまいました。

これは単独のTweetではなくリプライだったのですが、わたしがいつも考えている何かを、はっきり言葉にされていて、驚きと同時に、自分も真っ直ぐ言葉に出来る力を養わなければいけないなぁと反省もしました。

さて、工芸青花14号が発刊されました。

この度も、大和プレス様のご厚意により、誌面にて取り扱った品をご紹介していただきました。

掲載された中世の皿。

“ほんとうの直感”でモノを選べたとき、それがどこの何か、古いのか新しいのか分からなくとも、自分が手にとれた喜びにまさるものはありませんでした。

土井先生のいう、真美と真実を探すため、私たちはあてもなく探すのだなあ、、

ちなみに、この皿は緑釉が掛けられていたものと考えており、裏面に残る鮮やかな緑釉はこの皿の見所のひとつです。その写真はここでは載せずに…ぜひ工芸青花で見ていただけたら嬉しいです。

直感

パンセ

Pensées

フランスの学者、ブレーズ・パスカルが断片的な思考を書き留めていったものたち。それは彼の死後発刊され遺著となったものです。

遺著というとなんだか縁起が悪い気がしますが、10年前に起きた、美文さんが51歳のある出来事によって、「オマケの人生、やりたいことをやる!」最後の最後に残ったのは言葉だけだったという体験から、美文さんはパンセを綴ることに。そして今回は、私たちに託してくれました。

スキーヤーの頃のはなし、木工となったはなし、シェーカー教徒の家具に宿る美、父の顔…

シェーカー教徒のものづくりに対する、労働に向き合う姿勢の言葉も少し。

美文さんがとても影響を受けた思想です。

実はこのパンセは、別の形で発表する予定でしたが、世の中が一気に変化してしまい、少し見せ方は変わってしまいますが、本田に訪れた方々に、触れてもらえるように作っています。

コロナ禍で考えたことの一つは、実店舗の存在意義。実際に目で見ること、手に取って確かめること、は、ただの時代遅れ?綺麗事?virtualの進化は楽しみ半分と、不安の半分といったところです。

だけどもまだなんとなく、紙のページをめくる作業は残したいもののひとつなのです。

パンセ

必然の形

ただいま店舗はならし運転のような営業時間ですが、それでも店に足を運んでくださるお客様には、感謝しかありません。

なんとなく、世の中は日常へと戻りつつあるのでしょうか。

戻るというより、”新しい日常”というやつでしょうか。

27日から始まる山本美文さんの木工展は二年半ぶりの開催です。そろそろ始動しなければという春の段階では開催が危ぶまれ、全てが成り行きとしか言いようがありませんでした。

どんな形になるかは分からないけど、やってみよう。そう言ってもらえました。

開催には、細心の注意を心がけて。

展示に向けてあるモノを製作中。

パンセとは、思考という意味です。

美文さんのblog木工房便り

回想録のような事が書かれています。

craftsmanshipの穏やかな心、強い意志。

必然の形

夏の花入と碗

三度目のweb特集も無事に終了致しました。

たくさんのご参加ありがとうございました!

品物によってはかなり倍率も高かったので、抽選でもれてしまった方々、申し訳ありません。そしていつもいつも、本当にありがとうございます。。

庭に咲く、草花を添えて

あくまで器が主役である事を意識して入れました。

疫病により、引きこもりの三ヶ月。本来ならその間に東京の催事が二度、渡仏に一ヶ月、その前後も準備。バタバタの春だったのに。

忙しいことはありがたく思いますが、見直すべき生活習慣も多々ありました。

考えることが多くて、私の足りない容量ではパンク寸前です。もっと軽やかにいきたいのに。

web特集はしばらくお休み、

今月末からは山本美文さんの木工展です。

ただ今あれこれ思案中…

“道具屋めいてい研究所” でのオフショット。

自宅で過ごす時間がさらに濃厚になりました。

夏の花入と碗

欧州のガラス器

第二弾のweb企画展、たくさんのご参加ありがとうございました。

ガラスの撮影は大変難しく、一日中撮っていても悩ましいことがたくさんでしたが、お客様から写真の美しさに励まされますなど、エールを頂き、無事に終えることができました。

撮影は難しいけれど、ガラスは本当に美しくてこちらも見惚れてしまいました。

ガラス器の特集はかねてより試みたい企画でした。数は多く出せませんでしたが、二人で試行錯誤の末、このようなものとなりましたが、楽しんで頂けたでしょうか?

ひととおり特集のラインナップをご覧いただいてからご購入いただいくという、少々複雑なシステムではありますが、みなさん、焦らず選べるし、最後の方まで悩むのも楽しかったよと嬉しいお言葉もいただけました。

ただ、予約が品物によってはかなりの倍率になってしまうものもあり…ご縁が無かった方々には本当に申し訳ありませんでした。

またの機会でも、ご参加いただけたら嬉しいです!

お酒はあまりたくさん呑まなくなりましたが、やっぱり気持ちのいい季節、外でカンパイしたくなりますね。

今年は長期出張も当面の間未定なので、毎年虫食いや枯らしてしまうハーブでもまた育てようかな。そんな中でもミントは丈夫なようで、今年も青葉をつけてくれました。レモンも植えてみたけど、実がなるのはいつかしら?

先日、記念の日でした。

剪定した庭の花をフランスのピクルス瓶にどさっと。

古い友が手製のパンとワインを届けてくれて、心がじんわり。。世界で一番すきなパン。会えなかったけど、いつでも会える距離だから、またね。ありがとう。

欧州のガラス器展が終了し、ふたりで乾杯。

こんな大変な時に、支えてくださるお客様に、心から感謝を。

欧州のガラス器

欧州のガラス器

オンライン企画展第二弾は「欧州のガラス器」です。

第一弾の「抽象と連続」は、多くの方々に参加いただき、大変嬉しかったです。メジコレが中止となった代わりのオンライン企画展でしたので、スムーズにご紹介できました。

その後、国内外で仕入れが難しい状況下となり、古いものの特集をする事もとても困難となっていき、第二弾までに時間を費やしてしまいました。

特にヨーロッパへは、長く仕入れに行けない覚悟もしています。

もしかしたら、今こうして当たり前のようにあるヨーロッパの古いものも、全然手に入らなくなるのかもしれない、とそんな事をふと思う事もあります。

先のことは分かりませんが、また必ず行ける、という強い願いも込めて。あえて欧州のものの特集に決めました。

ガラスはフランスを中心に。日常つかいの古いガラスは大切にしている分野です。日本で紹介されて定番と呼ばれるようになったのも久しいですが、その中でもまた自分たちらしいものを探そうと眼を凝らしてきました。なかなか見つかりませんが、珍しいばかりではなく、使うと嬉しい気持ちになる、少し特別にしてくれるもの。

今回も、主人のInstagramと、webサイトを随時更新していきます。全てのラインナップをご覧いただいてからご購入いただくという、即売でなく予約販売とさせていただきます。

欧州のガラス器 特設ページ

今回は少し軽やかに。写真も意識しています。

撮影は全て主人ですが、二人でああだこうだと構図や場所を決めています。

主人は効率よく撮り溜めたりすることが出来ない人で、それは、朝起きてその日の気候だとか、光だとか、気分で、撮りたいものや場所が変わるからだそうです。作業になることを一切しない人なので、粘り強く、撮るのも書くのも、それはそれは時間がかかります。

つい効率的に考える私は、主人のこういう姿には大変感心してしまいます。情熱を持つという事は、とても素晴らしく、幸せなことです。

欧州のガラス器特集、更新をお楽しみに!

欧州のガラス器